インドストールに使われる素材(1):麻(ラミー・リネン)

公開日: : 最終更新日:2014/11/23 素材・生地

私達の生活の中でロープや袋、衣服など様々な所では使われていますが、その歴史が少なくとも紀元前5000年頃の古代エジプト時代にまで遡れる事を知っていますか。日本でも、神代の時代から使われていたと考えられており、世界中で最も馴染みが深い繊維の一つが麻といってもいいと思います。

その割に麻がどのような繊維で、どのように使われており、どのような性質を持っているか等はあまり知られていないと思います。そこで本稿は麻という繊維がどのような構造を持ち、どのように作られ、どのように使えるのか等幅広い観点から麻を解説していきたいと思います。

麻とはどんな素材か

麻自体は、いわゆる麻繊維を採れる植物の総称であり、麻と一口に言っても様々な種類があります。世界には60種類以上の「原料となる植物」が存在しており、植物の分類としてのアサ(Cannabis)とは異なるものです。

一般的に衣料用繊維として「麻」と表示されているものは、「苧麻(ちょま)・ラミー(Ramie)」と「亜麻(あま)・リネン(Linen)」の2種類です。他にも、大麻(あさ)、洋麻(ケナフ)、科(しな)、楮(こうぞ)などの幹や茎からとった繊維も麻と呼ばれますが、これらは衣料用の麻とは表示されません。衣料用の麻のうち、イラクサ科に属する苧麻・ラミーは、「東洋の麻」とも呼ばれており、地下茎が非常に伸びやすく、高温多湿に適した植物です。

麻の製造方法

麻の製造方法は、植物の種類にとって利用できる部位が異なりますが、基本的な製造工程は同じで、原料となる植物の繊維を水につけることにとって茎や葉などを分解させるレッティングという工程を行うことで、分解されにくいセルロース成分を抽出します。亜麻と苧麻では60~75%のセルロース分を含んでいるといわれています。

麻の用途

麻には様々な特徴があり、主なものを挙げると、

  • 吸水性が良い(汗を吸いやすい)
  • 発散性、放質性が良い(涼感がある)
  • 硬く曲がりにくい(強度が高い一方で折れジワがつきやすい)
  • シャリ感がある(硬く反撥する手触り)

があります。

折れジワがつきやすいというデメリットはありますが、水分を吸収しやすい上、その水分や熱を発散させやすいので夏場での利用に特に向いており、ブラウスやスーツ、寝具などの用途に向いています。またシャリ感があることにより、肌に生地が密着しにくい点も清涼感を与える要因です。

高温多湿であるインドでも麻は有効活用されており、ストールの素材としてもリネン単体やリネンとコットンを混合させる形で頻繁に使われています。暑い日にファッションの一部としてストールを使う際に、麻が使われているものであれば、比較的に涼しく利用することが出来るでしょう。

参考文献
[1]信州大学繊維学部編(2011)『はじめて学ぶ繊維』日刊工業新聞社
[2]山口恵子・花畑江梨・伊佐治せつ子・小林誠司(2012)『もっとファッションがわかる本』おうふう
[3]かわりいとウェブサイト

プラチヤのインドストールも宜しくお願い致します。

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