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織物が無い「インド美術史」(7):中世

公開日: : 最終更新日:2019/03/18 インド織物の歴史 , , ,

前回に引き続き、織物を含まない既存の「インド美術史」について紹介していきます。今回は中世のインド美術を取り上げます。

8~12世紀に東インドで栄えたパーラ朝では密教美術が発達しました。グプタ様式から中世様式への転換期にあたり、ナーランダーやボードガヤーなどが代表的で、密教美術の傾向が強いもののヒンドゥー教神像の影響も強く受けており、東南アジアやネパール、チベットの仏教美術に大きな影響を与えました。

中世北インドではヒンドゥー教美術が発達しました。高い石造技術を利用した大規模な寺院建築が活発化し、その特徴的な建築様式はナーガラ様式と呼ばれます。ナーガラ様式は、砲弾形のシカラが典型的で、没個性的で抽象的な顔立ちを形成する彫像は、自然な表情で特徴付けられるグプタ様式とは一線を画しています。

ナーガラ様式とは対となる建築様式として扱われるのがドラヴィダ様式で、9世紀末に南インドでパッラヴァ朝を倒してセイロンやモルディブ諸島にまで勢力を拡げたチョーラ朝の下で発達しました。チョーラ朝は、インド洋から中国にかけての海洋貿易権を掌握していたので、インドの宗教や文化が東南アジアに大きな影響を与えるきっかけとなりました。シカラと球状ストゥープが特徴のプリハディーシュヴァラ寺院が代表的な建築物で、他にも造形活動や奉納儀礼の為の音楽や舞踊も発達しました。

参考文献
[1] 金子典正編(2013)『芸術教養シリーズ4 朝鮮半島・西アジア・中央アジア・インド アジアの芸術史 造形篇II』幻冬舎
[2] 宮治昭(1981)『インド美術史』吉川弘文館宮治昭(2009)『インド美術史』吉川弘文館

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