織物が無い「インド美術史」(5):グプタ朝

公開日: : 最終更新日:2014/08/26 インド織物の歴史 , , , ,

前回に引き続き、織物を含まない既存の「インド美術史」について紹介していきます。今回はグプタ朝を取り上げます。

グプタ朝は紀元後320~500年頃に北インドを統一していた王朝で、安定した政治の下で、文芸や科学(天文学・数学・物理学・医学など)も発達した古典文化の黄金時代と位置づけられる時期です。フーナ族の侵入と地方勢力の分裂によって滅亡すると短期的にヴァルダナ朝が統一するが、それ以降は近世まで統一王朝は現れないので、近世以前では特に政治が安定していた時期と得ます。

この時期はヒンドゥー教の基盤が発達した時代で、二大叙事詩(マハーバーラタ、ラーマーヤナ)が集成され、プラーナ文献編纂も編纂された時期です。玄奘三蔵(602~664, いわゆる三蔵法師)は『大唐西域記』で、法顕(635~713)は『南海寄帰内法伝』で当時の様相を伝えています。

グプタ様式は、造形面で格調高い様式とされ、古典様式とも呼ばれます。前回のクシャーナ朝でも触れたマトゥラーで完成しインド各地に波及していきます。マトゥラーの工房は仏教・ヒンドゥー教・ジャイナ教と宗派を問わず彫像を制作しており、マトゥラーは彫像の有数の産地となりました。

グプタ様式の仏像はアジア各地に大きな影響を与え、《仏立像》はその代表例です。「均整の採れた肢体に抑制の利いた肉付けによる自然な立ち姿」はアジア各地に見られます。

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参考文献
[1] 金子典正編(2013)『芸術教養シリーズ4 朝鮮半島・西アジア・中央アジア・インド アジアの芸術史 造形篇II』幻冬舎
[2] 宮治昭(1981)『インド美術史』吉川弘文館宮治昭(2009)『インド美術史』吉川弘文館

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