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岡本太郎氏が言う「ハの字文化」

公開日: : 最終更新日:2014/08/26 デザイン・文様 , ,

日本の代表的な芸術家の一人である岡本太郎(1911-1996)は、自身の著書『今日の芸術―時代を創造するものは誰か』で、「ハの字文化」という概念を提示しています。

ハの字文化を簡単に言えば、岡本氏が「文化の表現方法に制約が多い状態」を批判する為に利用した言葉で、八の字は「ふすまや茶碗などに見られる漢数字の八」を見ると我々日本人は「富士山」を連想してしまう事を意味しています。漢数字の「八」には当然、富士山なる意味は存在しませんが、古くから日本の代表的な山として日本人にとって馴染み深く、それと「八の字」が抽象的に結びついています。

岡本氏は、この凝り固まった表現方法からより自由になるべきだと主張しているわけですが、裏を返せば、そこには日本文化の「コンテキスト(文脈・背景)」を知っていなくてはならない側面があり、芸術の面白さの一つとも言えるでしょう。白い鳩を見て「平和」を連想したり、赤い丸を見て「太陽」を連想したりするのも、そこにはコンテキストがあり、岡本氏が言う「ハの字文化」に該当する事例です。しかし、言語学的に考えても、そのようなコンテキストによる伝達があるからこそ、社会がうまく成立するわけです。

ある程度インド織物のリテラシーがある人にとっては、ペイズリー文様などを見ると、ペルシャやインドを連想するわけですが、それはインド織物やそれに関係した織物の歴史やデザインなどと文様が間接的に結びついているからであり、「ハの字文化」の一つと言えるでしょう。

ハの字文化から脱却して新たな表現を行うという脱構築も一つの方向性でしたが、その脱構築も「ハの字文化というコンテキスト」の呪縛の中にあり、どうしても様々な文化が持つエートスから逃れる事は困難です。その点、インドの織工がインド織物の「ハの字」を大事にしながら新たな表現手法を模索している試みは、自然な美術表現の一つとして評価したいところです。

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参考文献
岡本太郎(1999)[1974]『今日の芸術―時代を創造するものは誰か』光文社

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